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コロんでコロんでコロなりました

「観光立国のための多言語化」によって場所を奪われ続ける日本語

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「観光立国」の掛け声のもとに、急速に多言語表記に走ったが、国中どこでもこんなに、その国以外の外国語が表示される国は、日本以外には存在しないことを、日本人は知っているのだろうか?

多言語表記の急増によって、日本に住む日本人の母国語である日本語の表示スペースが、それだけ奪われたことになったことに、どうして気が付かないのだろうか?

日本に住んでいるにもかかわらず、その国民である日本人から奪われたのは、日本語スペースだけでは、ない。

日本人から、時間も、奪われた。

たとえば、東京の地下鉄銀座線に乗って、「えーっと、次の駅は、」と社内表示を見る私の目に飛び込んでくるのは、たいてい中国語か韓国語か、英語だ。

そのとき、私は無意識にイラっとする。だって、日本に住んでいるのに、日本語が目に入ってこないからだ。

理由は、横並びになっている社内表示の右の部分に外国語が表示されるようになっていて、

私の目は、右利きのせいなのか、右側にあるものを見ようとするからだ。

このように、「観光立国のための多言語化」によって、日本人が日本語の情報を入手できるスピードが遅れてしまったのだ。

これによって、日本人の時間が奪われているのだ。

もっとひどいのは、車内広告画面に表示されるニュースだ。

通信社のなかには、日本語のほかに数か国語でニュースの見出しを表示するものがある。

たくさんの言語で表示するから、そのぶん、文字が小さくなる。

そのため、目の悪い私にとっては、もはや無意味の表示だ。

しかも、日本語が一番てっぺんに表示されているのは勿論しかるべきことだが、

その分、人間の眼から最も遠い場所に表示されることになり、

私の目に入ってくるのは、その下の、日本語以外の外国語ばかりだ。

私には読めない情報だ。私ばかりではない、

ほとんどの日本人には理解できない情報を、

最も見やすい場所に表示する通信社は、日本の通信社なのか?

いや、日本の通信社ではないのだろう。

だれにノセられたのかは知らないが、

この10年の間に、日本の中から、

日本の国語である日本語の居場所が、

急速に失われてしまった。

 

日本は清潔、

日本は安全、

日本の交通機関は便利で素晴らしい

と海外が称賛するのは、

当たり前だ!

日本人は、世界で最も

清潔を尊び、日本人同士で少しずつ我慢しながら、

日本社会全体が清潔で安全で便利で暮らしやすいように

日々努めているからだ。

 シンガポールの街なかが清潔なのは、

 ゴミすてに罰則があるからだ。

日本は、罰則すらないのに、清潔ではないか!

しかしながら、

これらの日本の良いところは、タダではない!

外国人観光客にタダのりされて、

汚され放題にされるような、

安っぽいものでは、決してない!

日本人による日々の気遣いやちょっとした我慢という、

無形の膨大なコストのうえに成り立っているのだ!

 

そもそも、

清潔で安全で便利な日本社会は、

外国人観光客のためにそうなったのでは、ない

私たち日本に住む日本人が、日本に住む自分たちのために

そのような日本社会を作り上げたのだ。

日本語を話し、日本の習慣に沿って行動生活する人たちのためのものだ!

どこかしらからやってきて

「旅の恥は掻き捨て」と言わんばかりに、あるいは、

自国の慣習そのままに歩き回って、

ゴミを捨て、電車の車内に空き缶を平気で置き、

混雑した通勤電車の中に

巨大なスーツケースを何個も持ってゴリ押しで入って来るような輩たちのためのものでは、決してない!

どこの誰から何を吹き込まれたかは知らないが、

そろそろ「観光立国」の幻想から目が覚めないと、

気がついた時には、

日本人は、日本に居ながらにして、

日本を失うことになる。

水晶玉のお告げである。

 

ぼんやり